不動産業界には「囲い込み」という行為があり、不動産売買に悪影響を及ぼすことから大きな問題になっています。
国土交通省が宅地建物業法を改正したことで、2025年から囲い込み行為は処分対象となりますが、効果のほどは現時点では未知数といえます。
なぜならば、囲い込み行為は売主と買主のどちらにも気づかれにくいため、隠蔽しやすいのが特徴だからです。
売主と買主のニーズを無視した利益優先の囲い込み行為は、不動産市場の停滞と信頼性の低下に繋がりかねません。
そこで今回は、囲い込み問題について取り上げます。
囲い込みとは、不動産業者が物件情報を意図的に操作し、自社に都合が良い取引を助長する行為のことです。
全ての業者が囲い込みをしているわけではありませんが、日常的に囲い込み行為を行っている業者もいます。
宅建業法では厳密に禁止されているわけではないため、囲い込みの取り締まりは現行の法令では難しく、不動産取引における深刻な問題といえます。
この章では、囲い込み行為が行われる原因について考えられることを挙げてみます。
不動産業者は売主や買主に代わって、不動産取引の仲介をすることで報酬を得ています。
この報酬が、いわゆる仲介手数料といわれるものです。
一般的に、不動産業者が売主(個人や法人)から土地や建物の販売(売却)の相談を受けると、媒介契約を経てレインズと呼ばれる国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営するネットワークシステムに物件情報を登録します。
レインズに情報公開することで、他の不動産業者を通じて物件を広く紹介することが可能になり、買主を効率的に探すことができるようになります。
物件を紹介した買主との売買契約が成立すると、不動産業者は買主に対して仲介手数料を請求し、買主は支払いに応じることになります。
売主においても、販売を依頼した不動産業者に仲介手数料を支払うというのが、この業界の商習慣です。
仲介手数料は、不動産の売買代金によって、次のように上限額が決められています。
200万円以下:売買代金×5%+消費税
200万円を超え400万円以下:売買代金×4%+2万円+消費税
400万円を超える:売買代金×3%+6万円+消費税
ただし、800万円以下の低廉な空き家や空き地を売却する場合は、33万円(税抜き)が上限となります。
よくある囲い込みの手段としては、売主と媒介契約した不動産業者がレインズに情報を意図的に掲載しない、あるいは人為的に登録のタイミングをコントロールすることが挙げられます。
仮に登録しても「申込有り」の表示にして、他の不動産業者が買主に対して当該の物件を紹介できない状態にすることもあります。
このような行為によって、売主と媒介契約した不動産業者しか当該の物件を取り扱えない状況を作るわけです。
この狙いは、不動産を売ったときの仲介手数料と、買ってもらったときの仲介手数料、そのどちらも手に入れることにあります。
いわゆる「両手仲介」といわれるもので、売主と買主の知らないところで、このような状況が作り出されています。
すでに前節で触れましたが、両手仲介とは、売主と買主の両方から仲介手数料の支払いを受けることです。
1つの取引で一方から仲介手数料を受け取るより、両方から受け取ったほうが効率もよく、しかも儲けも倍になります。
売主側の不動産業者が積極的に販売活動を行い、早期に自社で買主を見つけることができたならば、両手仲介自体は問題ありません。
意図的に情報を制限して両手仲介を目論む操作が横行してしまうと、高く売りたい、あるいは安く買いたいというニーズは、完全に無視される可能性も否定できないのです。
その一方で、仲介手数料がゼロ円の熊本県の土地情報も、たくさん公開されています。
囲い込みは、不動産業者にとっては利益を増やす効果的な方法といえますが、売主と買主の知らないところで大きな影響を及ぼしています。
そもそも顧客志向でもないことも相まって、取り締まりの対象となったわけです。
そこで本章では、売主と買主の双方の影響について少し詳しく解説します。
囲い込みによる売主への影響として、取引機会の損失があります。
本来はレインズに登録することで、全ての不動産業者が買主を探せるようになりますが、囲い込みによって1社(自社)のみとなってしまいます。
特に、売主が自ら買主を探すことができない専属専任媒介契約の場合は、囲い込みをされると売主は身動きができません。
それをよいことに、自社の都合よい取引が可能なタイミングまで、長期間、広告すらしないといった、不当な扱いが懸念されます。
たとえば、3,000万円で売却できる物件を、自社の上得意の顧客が2,800万円での購入を希望した場合、もっともらしい理由を述べて2,800万円での売却を承諾させたとします。
すると売主は、得られたはずの200万円が手に入りませんが、不動産業者は両手仲介によって、報酬が96万円から180万円にほぼ倍増になるわけです。
3,000万円×3%+6万円=96万円
2,800万円×3%+6万円=90万円×2(両手仲介のため)=180万円
※数字は税抜き
また、販売中の物件に対する固定資産税や都市計画税、建物であれば光熱費なども含めて、維持費は全て売主が負担するため、不動産業者は販売が長期化しても痛みはありません。
顧客のニーズを無視して囲い込みを続けながら、都合よく売買した方が得をするという図式です。
このように、囲い込みは売主にとって大きなデメリットどころか、無駄に損失が大きくなる可能性が高くなるだけで、正当な資産価値による価格での売却ができなくなります。
買主にとっては、本来なら目にすることができる物件の数が目減りしてしまうという状況に陥るのが、囲い込みによる悪影響です。
不動産業者に希望する条件に該当する情報の収集を依頼しても、囲い込みされている物件は情報すら入手できません。
その結果、理想の土地が売りに出されているにも関わらず、買主は知る機会を奪われているため、購入のチャンスがなくなります。
限られた選択肢の中でしか検討できず、本来なら市場に出回っている物件との比較もできません。
さらに、売主と不動産業者の結びつきが強い場合、相場や市場価格よりも高額な販売価格を提示されるリスクもあります。
このような状況になってしまうと、公平性や信頼性は保たれず、取引自体が成立しにくくなってしまいます。
そもそも不動産業者が売主と媒介契約を締結した場合、一般媒介契約以外であれば、レインズへの登録は義務です。
専属専任媒介契約:契約締結日を含めて5営業日以内
専任媒介契約:契約締結日を含めて7営業日以内
義務を怠り、レインズに登録しないことが乱発されると、情報共有のネットワークとして機能せず、業界そのものの信頼性すら失われてしまいます。
優良な不動産業者から集めた、熊本県内の新着土地情報なら、e土地netがおすすめです。
囲い込みによって不動産業者の利益は増えますが、あえて土地の仲介手数料をゼロにしている、弊社運営の「e土地net」のようなポータルサイトも増えています。
仲介手数料ゼロの取引は、何かウラがある、怪しい物件しか流通していないのではないか、といったイメージを持たれやすいのは確かです。
ところが反響は大きく、囲い込みのような規則やルールを逸脱するような方法もなく、利益確保のしくみを変えただけで、多くの物件を紹介できています。
そこで本章では、仲介手数料ゼロの土地が公開されているe土地netの秘密を少しだけ紐解いてみます。
弊社は不動産業者ではなく、ハウスメーカーです。
土地情報は自社でも所有しておりますが、さすがに多くはありません。
基本的には、お客様に住宅を販売することが主なミッションですから、そもそも利益を挙げる手段は仲介手数料ではなく、あくまでも注文住宅の建築請負契約または完成済みの一戸建ての販売になります。
ゆえに、土地の仲介手数料を頂かなくても構わず、e土地netに情報を寄せてくれる提携の大手不動産情報検索サイトなどを通じて、物件情報を提供しているだけです。
買主様においても、e土地netを経由して土地を購入したからといって、特別な手数料を弊社に支払う必要はなく、新築の相談や契約を期待させていただいております。
不動産業者が囲いをしているかどうかはともかく、売主がむやみに情報を公開したくないケースも少なくありません。
具体的には、
プライバシーの保護
近隣住民への配慮
特定の買主を想定している
価格交渉を避けたい
売却に時間がかかる(売れ残り物件になる)ことへの懸念
相続や財産分与が絡んでいる
金銭トラブルの解消や債務整理が絡んでいる
といったことが挙げられます。
そのため戦略的な販売として、公開は会員に限定するといった方法があり、e土地netでも採用しています。
囲い込みと異なる点は、売主の意志を尊重しながら、情報の透明性は確保することです。
土地を探している人のほとんどは、マイホームの新築を予定しています。
そこでe土地netでは、土地探しに特化した機能を盛り込みながら、新築プランと住宅ローンの返済例を常時、自動的に提案するしくみを構築済みです。
新築プランは平屋と二階建てを選択可能で、間取りによって価格も変えたものを用意しています。
気になる土地と新築プランがあれば、来店予約も可能です。
類似した近隣の土地情報やエリアごとの相場情報もワンストップでチェックができますし、土地を売りたい方への無料査定にも対応しています。
不動産業者の囲い込みは、売主の費用負担を大きくし、買主の購入機会を減らします。
しかも、売主や買主が囲い込みに気づけないため、自衛策が乏しいことも問題を常習化させている原因です。
ゆえに、不動産業者の利益確保の手段としての囲い込みは、今後もしばらくは続くと予想しています。
国土交通省がどこまで取り締まれるかは未知数ですし、実際に囲い込みをしているかどうかの判断は、非常に難しいものがあります。
囲い込みを回避する手段としては、レインズ登録確認のほかに、
売主
一般媒介契約での販売活動
契約書で囲い込みへの条項を設ける
買主
複数の不動産業者の利用
他社でも同じ物件が扱われているかをチェック
といったことが挙げられます。
囲い込みが不安なら、熊本県の土地探しは、リブワークのe土地netにお任せください。
また、熊本県で注文住宅を建築される方で、土地情報をお求めの方はリブワークにぜひご相談ください。