例年の猛暑により、毎年、多くの人が熱中症で救急搬送されています。
特に高齢者は、自宅で過ごしていながらも熱中症で救急搬送というケースが、ここ数年でも目立ちつつあります。
総務省の「令和6年7月の熱中症による救急搬送状況」では、高齢者(満65歳以上)の割合は59.0%(熱中症予防情報サイト ‐環境省)です。
「冷房の風が嫌」「昔は扇風機で十分だった」「暑さを感じない」という理由から、冷房を活用しないケースが、その原因ともいえるからです。
一方で、古い住宅は十分な断熱性能を有していないことも多いためか、室内での熱中症に拍車をかけていることも想定されます。
こうしたリスクを避けるためには、住宅の断熱性能を高めることで、猛暑の影響を少なくするという考え方も暮らしの快適性向上に欠かせません。
この記事では、熱中症予防にも役立つ断熱性能の重要性、さらに断熱工事の種類や支援制度について解説します。
これから熊本県内の土地で注文住宅を建てる場合は、参考にしてください。
熱中症は体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がたまって体温が上昇することで発症しますが、環境省の熱中症の予防方法と対処方法(令和6年7月の熱中症による救急搬送状況-総務省)によると「環境」と「からだ」、「行動」が関連すると書かれています。
つまり、住んでいる住宅の室内気温や湿度が高く風通しが悪い場合は、体温が上昇しやすい環境が揃っていることになります。さらに、外にいる時よりもゆっくり上昇することから気づかないケースも多いのです。
このような健康リスクは断熱性能を高めることである程度は下げることが期待できることから、高断熱住宅の重要性は非常に高いといえます。
この章では、室内にいながら熱中症にならないための断熱ポイントについて解説します。
外からの熱をシャットダウンする断熱効果を高めるためには、断熱材や遮断塗料を使うことがポイントです。
ただし、断熱材は種類によって断熱効果だけでなく価格や納期が異なるため、ハウスメーカーなどと相談の上で採用することが求められます。
一方、遮断塗装は太陽からの熱を反射し建物を赤外線から守る効果があり、同時に熱が室内に侵入するのを防いでくれる特徴があります。
これも商品によって価格や耐用年数や対応している下地の種類に大きな違いがあるため、断熱材と合わせて最適な組み合わせを選んでもらうことがおすすめです。
断熱性が高い住宅は、外気が侵入しにくいためクリーンな環境を維持することが可能です。
ゆえに子どもやペット、高齢者を健康被害から守ることができる上に、アレルギー対策としても期待が持てます。
また、季節ごとに室内環境にも違いが生まれます。
つまり、年間を通じて室内温度の変動が小さくなり、快適な生活環境が維持されやすくなり、エネルギー消費量が全体的に減少し、光熱費の節約に効果的です。
さらに、外部からの騒音もある程度は抑えられるため、静かな室内環境を実現しやすくなります。
高断熱の住宅を建てるためには、まずは熊本県の土地情報からチェックしましょう。
新築住宅において断熱工事は重要なポイントですが、そもそも断熱工法には「充填断熱」と「外張断熱」があり、メリットとデメリットはどちらにもあります。
また、最適な断熱材の選択も断熱性能の高い住宅には必須であり、住宅の新築において知っておくべきポイントです。
この章では、木造住宅の断熱工法と特徴、代表的な断熱材の種類について解説します。
木造住宅の断熱工法には、柱などの隙間に断熱材を充填し外壁と内壁の間の空間を埋める「充填断熱」と、柱の外側を断熱材が覆う「外張断熱」があります。
どちらも優れた断熱工法といえますが、次のようなメリットとデメリットがあります。
断熱工法 |
メリット |
デメリット |
充填断熱 |
柱の隙間を埋めるため断熱材の量が少なく、コストは比較的安い。 さらに経年劣化もしにくいことから最も多く採用されている工法といえる。 |
湿気に弱く湿度が高い環境下では断熱性能が下がる。 |
外張断熱 |
壁の内側に空間を持たせることができるため配管を通すことができ、間取りの自由度が高くなる。 また充填断熱よりも断熱効果は高い。 |
コストが高く地震などで家がひずむと変形してしまい、隙間が発生することで断熱効果が下がる可能性もある。 |
上記の違いを理解し、ハウスメーカーの意見も聞いた上で選択することが重要です。
その他の断熱工法など詳細を知りたい場合は、硝子繊維協会公式サイト(断熱工法の種類|断熱工法について|硝子繊維協会公式サイト)などを参照してみてください。
断熱材には繊維系、プラスチック系、天然素材系があり、断熱効果と価格について違いがあります。
そのため、イメージする高断熱住宅を手に入れるためには断熱材ごとの特徴を把握しておくことが大切です。
代表的な断熱材の特徴は、次のようになりますので参考にしてください。
断熱材の種類 |
特徴 |
代表的な断熱材 |
繊維系 |
ガラスを繊維状にしたものを凝縮させた断熱材で、繊維と繊維の間に空気を含むことで断熱効果の高い空気の層を作ることができる。 価格が安く汎用性も高いため住宅用断熱材として人気が高い。 |
グラスウール |
プラスチック系 |
プラスチックを発泡させて細かい気泡をつくり、空気を含む断熱材。 軽くて丈夫なため公共施設でも使用されており、最も多くの住宅で使用されている。 |
押出発泡ポリスチレン |
天然素材系 |
無添加で自然由来の素材を使った断熱材。 自然素材に囲まれた生活をしたい人に向いているが、他の断熱材よりも入手が難しいため納期が長く価格も高い。 |
羊毛 |
あくまでも基礎的な情報であり、実際は住宅のコンセプトや熊本県内の地域的な気候の特徴などを考慮して、ハウスメーカーなどと相談の上で決定されるとよいです。
快適な住宅環境は、熊本県内の土地選びも重要といえます。
断熱工事によって快適な室内環境を得られますが、省エネ効果もあるため、長い目で見れば高騰する光熱費の対策としても期待できます。
国や自治体からも、さまざまな支援事業が公開されており、高断熱住宅を建てやすくなっています。
この章では、断熱工事を実施する上で利用しておきたい支援事業を紹介しますので、参考にしてください。
子育てエコホーム支援事業(子育てホーム支援事業 ‐国土交通省)とはエネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯が、新築を取得しやすいよう支援する事業です。
子育て世帯と若者夫婦世帯が長期優良住宅もしくはZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準住宅を建築する際に使用できる制度ですが、どちらの住宅も高断熱住宅になるため、断熱工事の補助金として適用できます。
長期優良住宅は100万円/戸、ZEH水準住宅は80万円/戸が補助金の上限額となることから、住宅づくりの資金計画への影響は小さくありません。
2024年8月22日(執筆時)の時点では、予算に対する補助金申請額割合は新築において43%となっていますので、今年度中に住宅の建築予定がある場合はハウスメーカーなどに相談し早めに申請してもらうことをおすすめします。
子育て世帯と若者夫婦世帯は、次のように定義されています。
対象世帯 |
適用要件 |
子育て世帯 |
令和5年4月1日時点で18歳未満の子を申請時点で有する世帯。 ただし令和6年3月末までに工事着手する場合においては、令和4年4月1日時点で18歳未満。 |
若者夫婦世帯 |
申請時点において夫婦であり、令和5年4月1日時点でいずれかが39歳以下である世帯。 ただし、令和6年3月末までに工事着手する場合においては、令和4年4月1日時点でいずれかが39歳以下の世帯。 |
新築時に満足な断熱工事が実施できれば問題ありませんが、予算の関係上、対応できなかったケースも少なくありません。
その場合は、リフォームで断熱性能を引き上げ、改めて長期優良住宅などの認定を受けるという方法もあります。
前述した子育てエコホーム支援事業は、こうしたケースにおいても45万円/戸が補助されます。
リフォームの詳細については、子育てエコホーム支援事業の公式サイトやハウスメーカーで確認してください。
これ以外にも、
などがあります。
なお、熊本県内の自治体でも、省エネルギー化として窓や壁などの断熱工事に対する補助制度が実施されています。
詳しくは、以下のサイトから熊本県をクリックして、検索してください。
地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイト
https://www.j-reform.com/reform-support/
室内で熱中症になった場合、一人で過ごしていると救急車が呼べず重篤な状態になってしまうリスクがあります。
特に子どもや高齢者は体温調整がうまくできないケースもあるため、家族の健康を守るためにも断熱工事の重要性は今後も高まっていくものと見ています。
各ハウスメーカーも高断熱住宅を建築、販売していますが、断熱性能は工法や断熱材の種類によって大きく変わるため、よく相談の上での施工が重要です。
特に子育て・若者世帯においては、子育てエコホーム支援事業などの活用で、1年を通して快適な住宅を新築する機会が得られます。
そのための熊本県での土地探しについては、リブワークのe土地netにお任せください。
また、熊本県で高い断熱性能を持つ注文住宅を希望される方で、土地情報をお求めの方は、リブワークにぜひご相談ください。