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2026.09.25
注文住宅 資金計画 住宅ローン

金利上昇局面で見直す住宅購入予算と総コスト

初回投稿日:2026年9月25日

今だからこそ考える 自然災害に備える家づくりと土地選び

目次

2024年のマイナス金利解除以降、住宅ローン金利は緩やかに上昇しています。

金利に対する不安を抱える新築検討中の方にとって、今こそ建物や土地の価格を含めた資金計画そのものを見直す機会です。

そこで本記事では、金利上昇時の予算組みの考え方を伝えながら、建築費高騰をも相殺する方法や見落としがちな隠れコストまで拾う、現実的な視点での見直しについてお伝えします。

予算見直しが必要な理由

予算見直しが必要な理由

住宅ローンの金利は今後も上昇傾向にあると見ている市場関係者は多くいます。

まずは実際の数字をもとに、その動きをおさらいしておきましょう。

金利の上がり幅

2024年3月のマイナス金利政策解除以降、以下のように政策金利の引き上げが実施されました。

  • 2024年7月:0.25%
  • 2025年1月:0.5%
  • 2025年12月:0.75%
  • 2026年6月:1.0%

さらに2026年9月18日には1.25%への引き上げが正式決定されました。

2026年春には各金融機関が住宅ローンの基準金利・最優遇金利を引き上げ、変動金利も高い水準となりました。

固定金利も同様に上昇しており、借りるタイミングが難しくなっています。

返済額に与える影響

金利上昇が家計にどう響くのか具体的な数字で見てみましょう。

【条件】 借入3,000万円・返済期間35年の元利均等返済
※数字はいずれも推定

金利 月額返済額 年間返済額 総返済額 利息の合計
1.0% 84,700円 102万円 3,557万円 557万円
1.5% 91,900円 110万円 3,858万円 858万円
負担増 +7,200円 +8万円 +301万円 +301万円

0.5%の上昇で月々7,200円の負担増なら家計への影響は限定的に感じられるかもしれませんが、35年で積み上がる金額は車1台分に相当します。

さらに借入額が大きければ、より負担は拡大していきます。

  • 借入額4,000万円:月々+9,600円・利息総額+401万円
  • 借入額5,000万円:月々+12,000円・利息総額+502万円

総コストの意識づけ

総コストの意識づけ

注文住宅において予算に関する情報は数多くありますが、もはやありきたりな「土地+建物+諸費用」という単純な計算式では全く意味をなさなくなっています。

見えない(見えにくい)コストまで拾い出しての予算化が重要です。

予算計上の項目

家づくりの予算では次の3つに分けると全体像が把握しやすくなります。

  1. 現物費用
    土地・建物本体・付帯工事・外構費用・地盤調査・オプションなど。
    見積書など比較的わかりやすく把握できる部分です。
  2. 諸費用
    住宅ローン関連(利息・事務手数料・保証料)・仲介手数料・登記費用・税金・火災保険料・住宅性能に関する審査など。
    通常なら1で挙げた費用の5〜10%を見込むのですが、より詳細に調べると知識と金額の両方が明るみになります。
  3. 予備費用
    諸費用の一部・引っ越し・家具家電購入費など住宅ローンでは支払いできない現金による支出に備えます。

建物や土地の本体価格だけを見て予算内に収まったと判断するのは早計です。

早い段階で3項目すべてを見積もっておくこと安心の度合いが違ってきます。

土地と建物はトレードオフ

総予算という枠がある以上、土地と建物の配分バランスは難しいものです。

希望するエリアの相場が高ければ、建物にかけられる予算は自然と限られますし、逆に建物の仕様や広さにこだわるのであれば、最適な土地の選択肢はせまくなっていきます

すべての希望条件(立地・広さ・仕様・デザイン)を同時に満たす土地と建物の組み合わせに出会えることは現実にはまれです。

それゆえに「エリアは譲れないが建物の仕様は妥協できる」「通勤時間が多少不便でも建物のこだわりを優先したい」といった妥協点や落としどころを持っておくと、予算枠をはみ出さない予防のコツといえます。

間取りや仕様の考え方

多くの方はハウスメーカーの標準仕様やモデルハウスの仕様をベースにオプションを積み増していく加算方式を考えがちですが、気づかないうちに総額が膨らみやすい弱点があります。

よって中間グレードをベースに優先度に従って下位へグレードを落とす減算方式がおすすめです。

また設計上の工夫でコストを抑えられる余地もあります。

  • 建物の外周形状は平屋・2階建てに関わらず正方形または長方形などシンプルに
  • 間仕切り壁も少なく
  • 屋根は低コスト順に片流れ・切妻(きりづま)・寄棟(よせむね)・陸(りく・ろく)
  • 水回りは1か所に集約(動線や配管の面でも効率的)

建築費の高騰が止まらない局面だからこそ、外観より居心地優先の設計や仕様決めが、地味ながらも効果的といえます。

都道府県別の土地と建物のセットプランをまずは見てみましょう。

土地のコンパクト化

土地のコンパクト化

建物の構造や仕様をやりくりするだけではコストダウンも限界が見えてきます。思い切って土地の条件を見直すという選択肢も頭に入れておきましょう。

せまい土地はねらい目

土地は地価・立地・整備状況をベースに、面積に比例して販売価格が高くなります。

同時に外構費用や地盤改良費は広さに比例して負担は増えますので、コンパクトな土地をターゲットにする戦略は大きなコストダウン効果が見込めるでしょう。

予算を限定した範囲内で購入できる土地をピックアップし、どれだけ希望条件を満たせるかを調査すると、掘り出し物件が見つかるときもあります。

どうしても広い土地が欲しい場合は、郊外を超えた長閑なエリアだと格安で手に入るかもしれませんが、宅地としての整備費用や生活利便性を含めた判断が求められます。

ある程度の好条件をキープしたいなら小さな土地も視野に入れておきましょう。

コンパクト化によって小規模住宅用地の特例が適用できれば税金の軽減措置を活用できます。

郊外も割高傾向

「都心部は高いから郊外なら安いはず」

人口の多い都市部を持つ自治体ほど昔の話になりつつあります。

たとえば福岡県と熊本県の地価公示を参照すると、福岡市・熊本市近隣や世界的企業が進出した地域ほど上昇率の高さと持続性がはっきりしています。

【福岡県】

  • 14年連続:福岡市、新宮町、粕屋町
  • 13年連続:筑後市、春日市、大野城市、太宰府市、那珂川市
  • 12年連続:久留米市、筑紫野市、古賀市、福津市、志免町

【熊本県】

  • 合志市、大津町、菊陽町(5.6%~6.3%)
  • 熊本市、荒尾市、玉名市、山鹿市、菊池市、宇土市、宇城市、御船町、嘉島町、益城町(0.1%~3.4%)

<参照> 令和8年地価公示 - 福岡県庁ホームページ 令和8年地価公示 - 熊本県庁ホームページ

こうした状況では地価の下落はもはや期待できず、競売物件や古家付きの土地(解体を前提に取得する土地)など相場より割安に取得できる物件も頭に入れておいてもよさそうです。

ただし権利関係の確認や解体費用の見積もりなど、通常の土地購入とは異なる点もあるため、経験豊富な担当者に相談しながら検討しましょう。

建物は機能性を重視

「土地が小さいと間取りの希望がかなえられない・・・」

そのような不安を抱えてもおかしくはありませんが、近年は3階建てや狭小地向けのプラン、動線を短くまとめた間取り設計など限られた敷地面積でも十分な居住性を確保するノウハウがハウスメーカーに蓄積されています。

居心地の良さと面積は必ずしも関連するものではなく、コンパクトな建物は家事動線をはじめ各居室への移動負担が軽減され、暮らしやすさが向上するケースは少なくありません。

また外壁や屋根のスペースも小さくなるため、メンテナンスも含めてコストダウンが見込めます。

長期的な視点でもコンパクトな家づくりには相応のメリットがあるといえるでしょう。

条件が少しでも整ったら土地情報のピックアップをおすすめします。

土地の隠れコスト

土地の隠れコスト

土地には後から発生しやすい費用項目があります。

契約前にできる限り把握しておきましょう。

インフラの整備

前面道路に上下水道管が通っていない、あるいは口径が不足している土地では、新たに引き込み工事が必要になり、数十万円から百万円以上の追加費用が発生します。

公共の下水道が整備されていない地域では浄化槽の設置が求められますし、ガスの引き込み距離が長い、近くに電柱がないといった環境なら、想定外の費用に悩むリスクは高まります。

また傾斜地や高低差のある土地では造成や擁壁の工事が必要になるでしょう。

これらの工事は売主側の負担で事前に整備されている場合と、買主側が取得後に自己負担で行う場合があり、その違いだけで数百万円の差が出ます。

安い理由はインフラが原因になるケースは多いと覚えておきましょう。

外構費用は別枠として認識

外構費用は決して小さくないのですが、別途費用として扱われるため、蚊帳の外になりがちです。

これには理由があります。

  • 建物の形状や配置が決まらなければ外構デザインが困難
  • 道路との境界処理・駐車場・玄関アプローチ・フェンス・庭・外灯・植栽・門扉・犬走り・物置・屋外立水栓など項目が多岐にわたるため概算が難しい

たとえばハウスメーカーが大規模分譲地を販売する際に「街並みガイドライン」が制定されますが、その中で外構工事は標準化されると概算は示されます。

しかし大抵は個別オーダーのため概算だと見積もりの精度が担保できないのです。

もし外構工事費用も住宅ローンに含めたい場合は、早めにデザイン構想を練って、概算見積もりを出してもらいましょう。

登記費用と税金

登記や税金は把握しづらい費用ですが、大まかにでも試算しておくとよいでしょう。

登記の種類 依頼する専門家 主な内容
建物表題登記 土地家屋調査士 建物図面を作成し、所在や面積を登録
所有権保存登記 司法書士 建物所有者の証明・権利を登録
抵当権設定登記 司法書士 住宅ローン利用金融機関の担保権設定
所有権移転登記 司法書士 土地を新しく購入する場合の手続き

※本記事では登録免許税、専門家の報酬、手続き時の実費・雑費を登記費用という

 

登録免許税をはじめ固定資産税や不動産取得税、印紙税などに関しては国の優遇措置で通常より有利になっている場合があります。

それでも40~50万ほどは必要と見込んでおきましょう。

少しでもこれらの費用が大きいと感じるならば自分で専門家を探す、あるいは伝手を頼って比較検討するのも節約手段の一つです。

会員になって仲介手数料を無料にする方法もあります。

土地の隠れコスト

【豆知識】ちょっとお得になる土地

なかなか出会えないですが、頭の片隅にでも置いてください。

【敷地内に電柱がある】

電力会社の設備を設置させる対価として、土地所有者に電柱敷地料(いわゆる敷地の賃料)が定期的に支払われることがあります。

【敷地上空に高圧電線が通っている】

電気事業者との間で地役権が設定され、その利用制限の対価として周辺相場より安く取得できることがあります。

その利用制限とは建物の高さ制限や構造・用途に関する制約を指し、3階建てなどの希望が通らなくなるケースも出てきます。

まとめ

まとめ

金利上昇局面だからこそ、改めて部分的な見方ではなく総コストで判断する視点が欠かせません。

  1. 土地と建物だけに着目せず、細かな費用も含めて予算を考える
  2. 土地のコンパクト化で、建築費高騰の影響を相殺する
  3. 水道引き込みや外構などの隠れコストを、できるだけ事前に確認しておく

金利上昇局面での土地探しは、リブワークのe土地netにお任せください。

また、金利が再び上がる前に注文住宅を建築したい方で、土地情報をお求めの方はリブワークにぜひご相談ください。

 

 

著者情報
福岡覧斗



L.D.K.Information代表。宅地建物取引士・2級FP技能士の有資格者として不動産・建築・金融関連記事を含む多様なジャンルのコンテンツを制作。大手住宅設備メーカーでの商品開発と営業経験から現場視点の課題解決と公的データに裏付けされた客観的な情報提供が強み。「外壁塗装業者の選び方」「不動産売却成功のカギ」「相続物件や空き家の活用方法」など400本以上を手掛ける。コンテンツマーケターとしてもSEOで年間最大28.8万クリックの実績あり。

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